KOSHKI ART PROJECT
2004年、最後の里村を記憶に残す。島内の空き家、空き地、空き倉庫、廃校や田畑などを舞台に、島のあちこちがアートに包まれた奇跡の1週間。
鹿児島県甑島で、島全体を展覧会場にして行なった滞在制作型のアートプロジェクト「甑島で、つくる。」は、島出身の若者らを中心に企画・運営され、2013年の第10回目の開催を節目に惜しまれながら閉幕しました。
今年は、薩摩川内市が誕生して20周年。この記念すべき年にKOSHIKI ART PROJECTが、10年ぶりに帰ってきます。甑島列島をひとつに繋ぐ甑大橋が開通し、3つの島を自由に行き交うことができるようになった一方で、島の人口は、この20年で約5,600人から約3,800人まで減少しました。
少子高齢化に歯止めは効かず、ますます島から人が離れています。私たちはもう一度、島を想う人々と、新たな甑島列島の創造に向けて、島の魅力と価値を再発見し、ここに生きる人々の暮らしの豊かさと現代美術の織りなす展覧会を目指します。
芸術の芸は、本来「藝」であり、
種をまくという意味があります。
20年前、たった一人の若者から始まった「甑島で、つくる。」という展覧会名で始まった甑島の物語は、あの日の想いの種を絶やすことなく現在の甑島に息づいてきました。
甑島で、つくる。に関わった人々が、時を経て「甑島を、つくる。」その未来の可能性の種をまく奇跡の1ヶ月を再び、甑島で目撃してください。
2004年、KOSHIKI ART PROJECTは、甑島出身の平嶺林太郎(東京造形大学大学院修了)を発起人として、同じく甑島出身のヤマシタケンタ(京都芸術大学卒)と地域の可能性を探究する島在住の若者たちを中心に実行委員会が発足されました。甑島におけるアートプロジェクトは、2004年から2013年まで毎年活動し続け、10周年という節目に惜しまれながら第一章が閉幕しましたが、甑島在住の当時の実行委員を中心に、この活動が地域の再生や新たな価値の発見に繋がると考え、10年ぶりの開催を決意しました。